いずみside

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私の知らない専門用語 私の使ったことのない文調。 それが不思議なように頭の中に入ってくるのだ。 私は操られている? 誰なの? あなたは誰なの? 自分の意識を必死で集中させて目に見えないが確かに私の中にいる誰かに問いかけた。 なぜか不思議と怖くはなかった。 すると私の持っていた赤い万年筆は、右手ごと動かされた。 そして私の机の上の要らなくなった紙切れに何かを書き始めた。 驚かせてゴメン 私は坂下有といいます 不覚でした 私の命と一緒に大切な小説の原稿ごと燃やされてしまいました え? まさか、あの車の事故で亡くなった方ですか? 私は霊感があるかどうかは知らないが、万年筆を持つ右手に向かって心の中で質問してみた。 すると私の質問が分かったのか、また静かに私の右手は動き出した。 はい、ブレーキとエンジンに何か細工されていたようです。 逃げる暇もなくエンジンから火が吹き出しました。 まさかここまで周到にやられるとは ほんとうに不覚でした。
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