いずみside

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私は、家に帰ってきて早速インクの交換をした。 万年筆は使ったことなかったけど、中の空になったカートリッジのインクを引っ張ってみる。 力任せに外したので、カートリッジの先を突く鋭い先が誤って私の指に刺さった。 イタッ! 赤い血がポタポタと机の上に落ちた。 キレイ… 血の色ってこの万年筆と同じ色なんだ… 私は無意識に赤い万年筆のペン先を私の血の上に乗せた。 ペン先は私の血を吸い上げる… え? 気のせいだよね… 私は万年筆の先に付いた血をティッシュを使って丁寧に拭き取った。 血もすぐに止まった。 改めて新しいインクを万年筆本体に静かに差し込んだ。 なんとか上手くいったようだ。 私はインクの出を確認するためにノートに字を書いてみる。 すると赤い血の色の字になってビクッとする。 しかしすぐに黒いインクの色に変わった。 私の血が中に残っていたのか… 私はその時は何も分からなかった。 実は血塗られた 恐怖は、ここから始まっていたんだ。
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