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「おい、万智留!
いい加減に泣き止め。
俺がなんとか有の命を救ってやる。
聡史にも協力させるから。」
「ち、ちょっと待ってオヤジ!
いったい有さんの身に何があったの?」
すると再び佐多さんが話始めた。
「交通事故にあったんだ。
車は炎上、有は誰が見てももう助からない状態で、オニクの病院に緊急搬送されたんだ。
運良く、車が炎上し始めた直後に車から逃げ出せたみたいだか…頭を強く打ち付けたみたいで…
今、意識不明の重体だ。
あの、大人しくて静かな有が…
安全運転で制限速度以上出した事もないヤツが
スピード出しすぎて柱に激突するなんて考えられない。
そして、車が、すぐに炎上するのも腑に落ちない。
たぶん車に誰かが細工したに違いない。
有を殺そうとしたヤツがいるんだ…」
え?あんな優しくていい人を?
殺そうなんて思う人いるのか?
俺は信じられなかった。
「有は、間違いなく相手が不利になるものを知っていた。
だから消されたんだ。
3日前に、万智留に届いた手紙だ。」
佐多さんはその手紙を俺に差し出した。
「俺が読んじゃっていいの?」
黙って頷きながら佐多さんは言った。
「その中に、事件の真実は隠されている。」
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