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拝啓
万智留、元気か?
時々テレビのブラウン管を通して君を見ていたよ。
少し痩せたね。
ゴメン…黙って君の前から姿を消して
俺がバカだったんだ。
一日でも早く自分の本を出して万智留を喜ばせかったんだ。
有名な出版社から声をかけられて、ほとんど軟禁状態で原稿書かされて
気がつけば、俺の作品は別の作家の名前で
君に顔向けできない、裏の人間になってしまった。
昨日、その会社から足を洗った。
俺の名前で、今度こそ出版してみせる。
その日まで待っててくれるか?
俺がしたことは許されないかも知れない
この出版社の事は、俺がゴーストライターとして書いた赤嶺悟の小説の中に
隠している。
たぶん、君の兄さんの友人の息子
聡史君なら、私の暗号を解いてくれるだろう。
これから書きためた俺の作品、別の出版社に見てもらいに行ってくる。
ゴメンな万智留
今でも君だけを愛している
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