いずみside

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そう書き終えた右手から赤い万年筆は、こぼれ落ちた。 私はいきなりどっと疲れを感じて椅子の背もたれに上半身の体重を全て預けた。 こんな事ってあり? 私が拾ったこの万年筆、あの交通事故にあった人の遺品だったんだ。 きっと爆発かなんかで私がいた道端まで飛ばされたんだろう。 万年筆の持ち主である有さんが心配していたように私は今までになく疲労困憊が酷く、そのまま眠ってしまっていた。 私が再び目を覚ました時は、すでに昼近くになっていた。 ヤバイ今日の講義、受け損ねた。 携帯を覗くと大学から仲良くなった友里恵からメールが届いていた。 昨夜のことは夢だったのかな? 私は半信半疑で机の真ん中に転がっている赤い万年筆をボンヤリと見つめていた。
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