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はっきり言ってよく分からなかった。
村井さんの気持ちが……
そして何より自分の気持ちが……
勿論、というか私の中に村井さんの事を“好き”という感情はない。
ただ、何だろう。
トキメキ、とまではいかないけど多少なりに村井さんに会うことにドキドキした。
もしかしたら緊張のせいかもしれないけど、恋愛自体に縁遠かった私には久しぶりの感覚で妙な心地よさのようなものを感じてしまっていたのだ。
そんな風に感じてしまった自分が急にすごく寂しい人間に思えてしまった。
「馬鹿だな……」
深いため息をつくと買ってきた缶酎ハイに手を伸ばし、一気に喉に流し込んだ。
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