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性格悪いな、なんて自分のことを沁々思ってしまったのは久しぶりの独身だけの飲み会の席でのことだった。
変わりのないメンバー。
変わりなく笑いの堪えない会話。
そこには楽しい時間があって、学生時代に戻ったような錯覚を覚えさせてくれる。
「最近、どう?」
そう切り出したのは、いつも飲み会を仕切ってくれる赤井 智子。
「どうって……。智子の方こそ、どうなのよ」
自分はちゃんと答えもせず、そう訊き返したのは、この中で唯一結婚経験のある三橋 明美。
集まると大抵、こうやってお互いの近況を探り合うのがお決まりで見慣れた光景だった。
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