341人が本棚に入れています
本棚に追加
/32ページ
――…
―…
「って、どう思う!?」
バン、とテーブルを叩き前のめりになりながら思いの丈を訴える。
「どうって言われても私に分かるわけがないでしょ。でも、なんで明里もそんな遠回しに聞いたんだろうね」
熱くなる私を前にしても取り乱すことなく淡々とした口調で返してくる詩織。
そう土曜日の約束の相手とは詩織の事で今日は二度目のお宅訪問中だった。
「やっぱり探り入れられたんだよね。ていうか、何でそういうことするかな?」
詩織の言葉に明里への不信感が確信へと変わり、モヤモヤから苛立ちへと変わっていくのが感じられた。
「明里も明里だけど、凜子も凜子だよ。そう思ったんなら、そう返したらよかったのに……。でも、その村井さんって人もいい歳で男のくせにやることがセコイよね」
私の言い方が悪かったせいか、すっかり村井さんの印象を悪くしてしまったようだった。
.
最初のコメントを投稿しよう!