Lesson ③

24/32
前へ
/32ページ
次へ
―――… ―… ブブブッ、ブブブブ……  仕事が一段落し、一息つこうかと思った矢先にデスクの上に出しっぱなしにしておいたスマホが震えだす。  その音に驚き反射的に身体を跳ね上げる。  定時を回り事務所に残る人はわずかで、静かなせいかスマホのバイブ音がやけに事務所に響き渡り周りの視線を集めてしまっていた。 「あ、すみません……」  慌てて謝るとスマホを掴むと逃げ込むように給湯室へと移動すると1人になったところで恐る恐るメールを確認する。 ≪今週の土曜日空いていますか?食べたいものありますか?≫  メールの相手は予想通り村井さんで、相変わらずストレートというか無駄な文ひとつない素っ気ないメールだった。 .
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

341人が本棚に入れています
本棚に追加