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     唯一、19時には帰り、体力が残っていた高田は完璧な笑顔を作る。 「・・・コーヒーをお持ちしますね。」  資料に頭を突っ込んで倒れている女と気遣いを見せる女。  こんな対照的な絵があるだろうか・・・。  だが、もう対抗をする気力はもちろん、反発する気力すら残ってない。  厄介なことに早瀬が目敏く見つけ、メグを叱り付ける。 「メグッ、お前も愛ちゃんを見習って、もう少し女らしくしろよなっ!」  うっさいわっ!、と叫びたいのは山々だが、さすがに我慢する。  高田はまるで聖母のように微笑んだ。 「早瀬さんったら・・・。  メグちゃんは私の分も頑張ってくれたんですよ。  これくらい、当たり前です。」
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