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啓陽高校。
いい学校なんだと思う。
雰囲気は穏やかだし、校則厳しくないし、スレてる人少ないし。
男子は子供だけど。。
夕夏と那奈は、駅から学校までの道中、空の話をしていた。
「夕夏、一眼レフって知ってる?」
「カメラの事?」
「そう、染谷将太も趣味でやってるんだって。」
「アイツは私の趣味じゃない。」
「あんたの男の趣味は知りません!じゃなくて一眼レフなら、綺麗な空とか雲とか撮れるかなぁ。」
「多分ね。でも高いよ、多分だけどね。」
「やっぱり~、誰かくれないかなぁ。」
「染谷くんに頼めば?」
「ふふっ。」
那奈は笑い方が可愛い。可愛いし、とても自然に笑う。
先生の物真似なんかしなけりゃいいのに。。
「昨日の空すごかったよー、見た?」
「体育館の中だからね、私。」
「天使の階段あるしょ。あれがね、昨日は何本もあってね、すごかったんだよぉ。」
「へぇっ、神様大盤振る舞いじゃん。」
「何だかんだ言って、ケータイのカメラって限界あるんだよね。先月ぐらいにさ、変なとこにちっちゃい星がいっぱい固まっててさ、12時ぐらいかなあ。。やっぱりケータイじゃ上手くうつんなかったんだよねぇ。」
「そっかぁ。でも技術の問題じゃない?ケータイでも一眼レフでも。」
「でもさぁ…レフって何だろ?」
「さぁ…リフなら知ってるよ。」
「一眼があるんだから二眼もあるんだろうね。」
「ラフな推測だぁね。」
二人は、学校前の信号を渡るところだった。
両サイドから次々と現れる啓陽生を、校門がパクパクのみ込んでいた。
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