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──桜が舞い散る4月、入学式の朝を迎えた。
ピピピッ…。 目覚ましのアラームの音が部屋に響く。
「ん、ん~。よく寝たぁー。」
今日はいつもより早いアラームが鳴った。
まだ、眠かったが俺はベッドから起きて洗面所に向かった。
顔を洗い、歯を磨いて朝食の準備をしようとしていた。
「あっ、昨日、洗濯やるの忘れてた…。」
洗面所にある洗濯カゴが洗ってない服や、タオルなどで埋もれていた。
一人暮らしを始めたから、洗濯は勿論、掃除も料理も毎日一人でやらないといけない。
「時間あるし、洗濯しとくか。」
中学生の時から、一人で俺は何でもやっていた。
掃除、洗濯、料理、俺は小学生の時から母親の手伝いをしていたから慣れていた。
当然でもないが、中学生の時の家庭科の成績は、3年間オール5だった。
ただ単に、掃除や洗濯をするのは、綺麗好きなだけかもしれない。
家事のことよりも、俺が一番心配だったのは学校だ。
俺が通う高校は誰も知ってる人がいない。
ちゃんとクラスになじめるのかな…。
そんなこと考えていても仕方がない。
さっさと支度しよう。
俺は、洗濯を終え、朝食の準備を始めた。
今日は、入学式か…。
なんか緊張するなぁ…。
…つーか、なんで学校にも着いてないのに緊張してんだ?
こんなんじゃ、クラスで隣のやつと絶対に友達になってやるっていう俺の計画が緊張してなにも話せないパターンじゃないか…。
…駄目だな俺…。
緊張は誰でもするんだ。
頭で考えても、行動しなきゃ駄目だよな。
パンを食べながら俺は、俺は考えていた。
洗濯機に入れて洗った服も洗い終わり、干し終わったら学校に行く時間が来た。
「…さて、そろそろ学校行くか。」
俺は、アパートの玄関の鍵を閉め、学校に行くことにした。
「うっ、まだ寒いな…。」
4月なのにまだ、冷たい風が吹いていた。
このまま真っ直ぐ行って、突き当たりを曲がって少し進んだ所に俺の通う、風早見高校がある。
だいたい、俺のアパートから学校まで10
分くらい歩いた所にある。
何故、道を知っているのかは、前に学校の説明会に行ったことがあったからだ。
歩いている内にもう学校が見えてきた。
あっという間に着いてしまったな…。
これなら、遅刻せずに通えそうだ。
そんなことを考えてると、校門の前に立っている若い男の人に声をかけられた。
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