第3話

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午後8時。 客足のピークを過ぎたショッピングモール。人気も疎らな館内を、食料品売り場へ急ぐ。仕事帰りのいつものコース。 私は、この時間帯の買い物が好きだ。 客が少ないのも煩わしくなくていいし、商品の割引き率がかなりいい。ちょっとお得な感じがしてかなりの満足感を得られる。 仕事帰りのサラリーマンや一人暮らしらしい大学生が熱心に品定めしているのは、お惣菜のコーナー。 ここだけ人が集まっている。かきわけるだけの人だかりではないが、人を縫ってみんなと同じ様にお惣菜を選ぶ。 さすがに品数は少ないが、娘と二人の食卓には充分である。 その日もいつもと同じように買い物をしていた。
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