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「あぁ。成る程」
「しかし、このモンスターの発生が気になるなぁ……。これは、王国に戻ったら即報告だな」
ファイルを閉じ、もとあった場所に戻す。
「この話は一旦終わりだ。では、二階の捜索に―――っ!」
その瞬間、ミュシルの表情が変わった。
「どうした、ミュシル」
ナナシはミュシルを名前で呼ぶ。
これは、ふざけていないサインの一つだ。
「ロビーから敵の気配。しかも、ゴーストリックとは比べ物にならない敵……行くぞ!」
敵を察知したミュシルは事務室から飛び出し、ロビーへと向かった。
するとそこには、二人の子供がいた。
「あら、もう見つかっちゃったの?」
「ニアが騒ぐからだよ」
少年と少女。
これが、気配の正体だ。
「ミュシル。こいつらは?」
「まずいぞ、これは。あいつらは《トリック・オア・トリート》と《ジャック・オ・ランタン》。どちらもランクAのモンスターだ」
「モンスター? 俺には子供にしか見えないが……」
「見た目は子供だ。しかし、厄介なのは――」
「それじゃぁ、恒例のお遊びを始めようか、ニア」
「そうだね、バーム」
少女の名前はニア。
少年の名前はバーム。
のようだ。
二人はニヤリと笑うと、空中に浮かび上がった。
そして、こう宣言した。
「じゃぁ、『かくれんぼ』を始めましょう」
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