二話

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少年のモンスター名は 《トリック・オア・トリート》。 少女の方は 《ジャック・オ・ランタン》。 二人とも、クラスAの幽霊系統に属するモンスターだ。 イタズラ好きであり、遊び好きな彼らは、ああやって何かしらの遊びをすることが多い。 個体の魔法力は強く、普通では太刀打ちできない。 だが、遊びを利用することによって、安全に回避できる場合がある。 ミュシルがやったように、遊びの勝敗に景品を付けることによって、安全に逃げることができる。 ただ、遊びに負ければ悲惨な末路を辿ることになるだろう。 ミュシルが掛け合いに出した、何でも言うことを聞く。 幽霊系統のモンスターは、魂を求めることが多い。 故に、ここで骸の仲間入りをするかもしれない。 「成る程な。だったら一時間以内にあいつらを探して、こっから出ようぜ」 「そうだな。幸いにも一階のモンスターは撃退している。まずは一階を探すぞ」 二人は顔を見合わせて頷き、廊下を駆ける。 一度入った客室に入ると、モンスターが再び占拠を開始していた為、ナナシの光魔法で即撃退。 それを繰り返して一階をくまなく探索したが、二人の姿はなかった。 探索場所は二階に移り、一階と同じやり方でモンスターを撃退し、客室を次々と探索していく。 だが、二人は見つからない。 経過時間は五分。 残り五十五分だ。 ナナシとミュシルは、魔法力の回復の為に客室にて休憩をとっている。 「……………………」 ナナシはソファーに座った状態で、貧乏揺すりをする。 焦る気持ちが顕著に現れている。
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