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この中からあの二人を探すなんて、不可能に近い。
「くそっ! 俺は諦めねぇぞ」
ナナシはシーツの山に突撃し、掻き分けながら二人を探す。
たまに魔法でシーツを吹き飛ばし、次々と山を崩していく。
ここから強力なモンスターの気配がするのは確かだ。
あとは、見つけるだけ。
「っ!」
そのときだった。
手に、固いものが当たった。
「これは……」
シーツの山から引っ張り出したのは、怪しげな頭蓋骨。
そこから、禍々しいモンスターの気配が放たれていた。
「もしかして……これが」
「そうみたいだな。上級モンスターは、骨だけになっても禍々しい魔法力を放つと聞く。その類いだろう」
「そんな……。くそっ、まだ時間はあるはずだ! 他を探すぞ!」
ジリリリリリリリ!
意気込み、部屋を出ようとした瞬間、目覚まし時計のような音が鳴り響いた。
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