オレンジ色の時

2/2
前へ
/29ページ
次へ
いつもと違う放課後 汗と砂ぼこりを纏いながら 体のあちこちが痛い。 疲れたはずの体なのに 何故か心は満たされて。 赤く日に焼けた頬が オレンジ色の世界と同化する。 さっきまでの歓声は夕日の中に溶け込んで 声を出すことも許されないほど 一面の世界をオレンジ色が支配する。 毎日見慣れたはずの 渡り廊下から見る景色 今日だけ特別に見えるのは 貴方が特別に見えたから… 幼くて それが恋だなんて知らなくても オレンジ色の時が教えてくれる 美しい夕焼けを見る度に 思い出される初恋の色 二度と見ることの無い オレンジ色の時。 by - 虹望
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加