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灰色の雲がひろがる空から、山々に雨がふりそそいでいました。雨は山々の木々の葉っぱに落ちてポチャポチャと音をたてました。
大きな木の根元に寄りそうように、二羽の子ウサギがいます。男の子のウサギはポイといい、女の子のウサギはポピーといいました。
ポイは、白い毛のはえた耳をピクピクさせていいました。
「ねえ、ポピー。僕たち、いつまでも友だちでいたいねぇ」
するとポピーが、不思議そうな目をして、ポイを見つめて言いました。
「どうしたの、突然?」
ポピーの言葉を聞いて、ポイは、深くため息をついてしまいました。
「僕、嫌な夢を見たんだ。僕とポピーが、いつか、離ればなれになっちゃう夢。僕、とっても不安になっちゃったの」
ポイがそんなことを真剣そうにいったので、ポピーはクスッと笑ってしまいました。
「そんなの、夢のお話でしょ? 私たち、いつまでもお友だちでいるに決まってるじゃない」
ポピーがそう言うと、ポイは、何だか恥ずかしくなってしまいました。なぜ、恥ずかしくなったのかは、ポイにはわかりませんでした。ポイとポピーがおしゃべりしていると、そこへ、お婆さんウサギのソメ婆さんがやってきました。
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