第1話 没落華族 ―睦月―

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そんな彼に、呆れ切って深い息をついた。 「実際、そうなのかもしれないな。 間宮弥生は君に買われただけなのかもしれない」 そう告げると、彼は眉を顰めてこちらを見た。 「だが、それでも二人は『伴侶』になるんだ。 それは人生を共にするということ。 君は一生、人生のパートナーを金で買ったなんて言い続けるつもりか? より良い家庭をと思うならば、最低限のルールも必要だろう。 時に浮気もありえるのかもしれない。 だが、これは明らかにルール違反だ」 これから、この家に入る姉の為に、しっかり言っておかなければならない。 これは最低限、身内としての役目。 何も言わずに面白くなさそうにこちらを見ている彼を見据えて、 「君がやっていることは、子供のあてつけと一緒だ。 もう少し大人になるように。 そして、今日のところは見なかったことにしよう。 まさか、行為を途中でやめろとまでは言わない。 そのまま続けていい」 そう言って踵を返し、寝室を後にした。
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