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そんな彼に、呆れ切って深い息をついた。
「実際、そうなのかもしれないな。
間宮弥生は君に買われただけなのかもしれない」
そう告げると、彼は眉を顰めてこちらを見た。
「だが、それでも二人は『伴侶』になるんだ。
それは人生を共にするということ。
君は一生、人生のパートナーを金で買ったなんて言い続けるつもりか?
より良い家庭をと思うならば、最低限のルールも必要だろう。
時に浮気もありえるのかもしれない。
だが、これは明らかにルール違反だ」
これから、この家に入る姉の為に、しっかり言っておかなければならない。
これは最低限、身内としての役目。
何も言わずに面白くなさそうにこちらを見ている彼を見据えて、
「君がやっていることは、子供のあてつけと一緒だ。
もう少し大人になるように。
そして、今日のところは見なかったことにしよう。
まさか、行為を途中でやめろとまでは言わない。
そのまま続けていい」
そう言って踵を返し、寝室を後にした。
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