第二話 想い ―琢磨―

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「頼むよ。 それじゃあ、これを訳して欲しい」 そう言って書類を出すと、彼女は嬉しそうに目を細めた。 「英国貴族から公家への手紙か。こんなものを目にできるなんて光栄だな」 彼女の翻訳能力は『多少』というレベルではなかった。 ただ驚き、感心してその仕事ぶりを観察した。 異国の書物を読む為に英語を習ったという彼女。 一歩引いて意見が言える、その見識の広さは知識からきているのだろう。 本当に素晴らしい女性だと心から思った。
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