第二話 想い ―琢磨―

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「それは良かった。 泣き叫んでも、やめるつもりはない」 小刻みに震える美しい少年を見下ろして、そう言う。 自分はまるで悪魔にでもなったようだ。 「だから気にするな。 残念ながら、僕は泣き叫ぶようなタマじゃない」 そう言って目を閉じる。 息を呑むほどに美しいと感じさせる。 滑るその肌に手を伸ばし、抱き寄せて唇を合わせる。 ほのかに漂う甘美な香りに、 ―――目眩がする。
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