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違和感を覚えながらも、焦がれた美しさを前に興奮していた。
今すぐにベッドに連れ込みたいほどに。
しかし告げられた一週間のお預けに、ただ苛立ちが募った。
彼女が言った通り自分はただあてつけをしたかったのだろう。
抱き慣れたメイドをベッドに連れ込んで、わざとらしい程に音を立てて見せた。
きっと隣で身をつまされるような気持ちになっているに違いない。
そう思っていると、彼女は躊躇もせずに寝室に訪れた。
正直驚いたが、構わずに女を抱き続けながら「何か?」と笑って見せた。
泣いて飛び出すか?
そう思っていると、
「……それはこちらの台詞だと思いますが?」
と平静に切り返して来た。
その動じていない返答にも苛立たされた。
「……婚約者がいる隣の部屋で他の女を抱くなんて、ありえない話でしょう」
そう言って腕を組みながら、こちらを見た彼女に鼻で笑った。
「何を言ってるんだよ?
お前は所詮俺に買われただけだ。自分の立場をもっと自覚したらどうだ?」
そうだよ、お前もこの女のように俺に仕えればいいだけのこと。
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