第二話 想い ―琢磨―

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違和感を覚えながらも、焦がれた美しさを前に興奮していた。 今すぐにベッドに連れ込みたいほどに。 しかし告げられた一週間のお預けに、ただ苛立ちが募った。 彼女が言った通り自分はただあてつけをしたかったのだろう。 抱き慣れたメイドをベッドに連れ込んで、わざとらしい程に音を立てて見せた。 きっと隣で身をつまされるような気持ちになっているに違いない。 そう思っていると、彼女は躊躇もせずに寝室に訪れた。 正直驚いたが、構わずに女を抱き続けながら「何か?」と笑って見せた。 泣いて飛び出すか? そう思っていると、 「……それはこちらの台詞だと思いますが?」 と平静に切り返して来た。 その動じていない返答にも苛立たされた。 「……婚約者がいる隣の部屋で他の女を抱くなんて、ありえない話でしょう」 そう言って腕を組みながら、こちらを見た彼女に鼻で笑った。 「何を言ってるんだよ? お前は所詮俺に買われただけだ。自分の立場をもっと自覚したらどうだ?」 そうだよ、お前もこの女のように俺に仕えればいいだけのこと。
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