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すると彼女はピクリと眉を顰めて、小さく息をついた。
「実際、そうなのかもしれないな。間宮弥生は君に買われただけなのかもしれない」
そう告げた彼女に、少し驚いて動きを止めた。
「だが、それでも二人は『伴侶』になるんだ。
それは人生を共にするということ。君は一生、人生のパートナーを金で買ったなんて言い続けるつもりか?
より良い家庭をと思うならば、最低限のルールも必要だろう。
時に浮気もありえるのかもしれない。
だが、これは明らかにルール違反だ」
そう言って真っ直ぐに見据える、それは美しい瞳。
バクバクと鼓動が打ち鳴らす。
なんだよ、この女?
「君がやっていることは、子供のあてつけと一緒だ。
もう少し大人になるように。
そして今日のところは見なかったことにしよう。
まさか行為を途中でやめろとまでは言わない。そのまま続けていい」
そう言って颯爽と寝室を出て行った彼女に、言葉も出なかった。
夫になる男が他の女を抱いていて、それを目の当たりにしながら少しも動じずに自分を嗜め、
そしてそのまま続けていいと普通に言い放って部屋を出て行った。
信じられない。
ベッドで息を荒く全裸で横たわる女よりも、颯爽と出て行った彼女の姿が脳裏に焼きついてならない。
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