第三話 露見 ―睦月―

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―― ―――― ―――――― パーティを終え、帰りの車中でただひたすら機嫌が悪い様子の暴君に、眉を顰めた。 「ご機嫌かと思えば、何をツンツンしているんだ?」 共に後部座席に並んで座りながら、腕を組んでそう尋ねると、 「別に」 と冷たい目でこちらを見据える。 どうやら彼は、随分な気分屋らしい。 しかし父も母も姉も気分屋だった為、気にもならない。 何を怒っているのか知らないが、怒らせておこう。 そう思い小さく欠伸をした。 「眠いのか?」 素っ気無くそう尋ねて来た彼に、ああ、と頷く。 「流石に疲れたな。 ああいう華やかな場は苦手だ」 「そうか? 男にも女にも囲まれて、随分楽しそうに見えたけどな」 「おかしなことを言うな。 楽しそうにしなければ、君に迷惑がかかるだろう」 そう言って横目で見ると、彼はバツが悪そうに顔を背けた。 彼の言動が時折、分からない。
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