第三話 露見 ―睦月―

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彼はこちらを楽しそうに見たまま、小さく笑って腕を組んだ。 「今夜、綾部邸でパーティがあるんだが、お前にも同行してもらう」 よく聞く公家華族の名に、解せない気持ちで彼を見た。 どうして、自分も同行しなければならないのか。 もしかして女装して同行しろと言っているのだろうか? 正体が露見した今、改めて女装するのは、痛々しいな。 そんな自分の心中を察したのか、 「そのままの姿でいい」 と付け加えた。 「このままで?」 「ああ、面白いことがある」 と彼は不敵に微笑んだ。
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