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“面白いこと”
それは一体なんなのか。
その疑問はすぐに解けた。
綾部邸のパーティに出席していた間宮家当主、そう我が父は、男の姿に戻り東雲琢磨と並んでいる自分の姿を見るなり、大きく口を開けてワインをダラダラと流した。
タキシードに流れるワインを見ながら、
「飲んでいたのが白ワインで良かったですね」
と平静に告げると、父は口を拭おうともせずに勢いよく胸倉をつかんで来た。
「睦月、お前、どうして」
文字通り顔を真っ赤にさせて、今にも頭から湯気を出しそうな勢いで声を出す。
「露見してしまいました」
と告げると、今度はみるみる顔が蒼くなる。
成程、面白い姿だ。
そう思いながら観察していると、自分の背後に立っていた琢磨がニッコリ笑って父に歩み寄った。
「事情は睦月君に聞きました。
それで、弥生さんの行方は?」
落ち着いた口調でそう尋ねた琢磨に、父は目に見えるほどに額から汗を流し、
「い、今、必死で捜索中でして」
と流れる汗を拭いながらそう言った。
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