第三話 露見 ―睦月―

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「分かりました。 こちらも彼女の行方を捜すことにしましょう。そして彼女が東雲に来てくれる日を待ってます」 そう言って優雅に微笑んだ琢磨に、父は感激に目を潤ませた。 「なんて、素晴らしい。 弥生は本当に馬鹿な娘です。あなた様に一目会えば気が変るだろうに」 その言葉には同感だった。 姉もきっと、彼を前にしたら気持ちも変わるだろう。 こうして見ているとすばらしい好青年にしか見えない。 そう思っていると彼は急に冷酷な表情を浮かべ、 「それでは間宮殿。 あなたは今、パーティを楽しんでいる場合ではないとわたくしは思うのですが?」 と父を見据えた。 父は仰天したように目を見開き、 「ええ、勿論、今すぐ帰って娘探しに尽力します」 と逃げるようにバタバタと会場を後にした。 不敵に微笑む彼を見ながら、 前言撤回、彼は決して『好青年』などではない、と肩をすぼめた。
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