第三話 露見 ―睦月―

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破かれたドレスはなくなり、その代わりにベッドサイドにスーツが用意されていた。 ……もう、女装の必要はないということか。 それはそうだ、当主に露見した。 苦笑しながらシャツを羽織る。 東雲の当主とベッドを共にしたと知ったら父は卒倒するだろうな。 それとも、逃げ帰るよりマシだと思われるか? どちらでもいいが。 そう思いズボンを履き、ジャケットを羽織る。 急遽用意したにはサイズが自分に合っていて驚いた。 同じ背格好の使用人でもいるのだろうか? 失礼をした自分に、こんな配慮をしてくれるとは思わなかった。 これを身体を預けた甲斐があったとでも言うのだろうか? そう思い、自嘲気味に笑ってみせる。
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