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破かれたドレスはなくなり、その代わりにベッドサイドにスーツが用意されていた。
……もう、女装の必要はないということか。
それはそうだ、当主に露見した。
苦笑しながらシャツを羽織る。
東雲の当主とベッドを共にしたと知ったら父は卒倒するだろうな。
それとも、逃げ帰るよりマシだと思われるか?
どちらでもいいが。
そう思いズボンを履き、ジャケットを羽織る。
急遽用意したにはサイズが自分に合っていて驚いた。
同じ背格好の使用人でもいるのだろうか?
失礼をした自分に、こんな配慮をしてくれるとは思わなかった。
これを身体を預けた甲斐があったとでも言うのだろうか?
そう思い、自嘲気味に笑ってみせる。
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