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背筋を整えて通路を歩く。
使用人やメイド達が振り返ってこちらを見ていた。
皆はもう事情を知っているのか、知らないのか。
こちらを見てはヒソヒソと話していた。
何がどこまで使用人まで話が通っているのか、今の段階では計りかねるが、自分もいよいよ覚悟を決めなければ……。
そして、何を思うのか自分は、と苦笑した。
あの男に露見した時点で、すべての覚悟をしたというのに―――
そうして足を踏み入れたダイニング。
それは長い長方形のテーブルの両サイドにズラリと使用人達が並び、そしてその先に東雲琢磨が悠々と頬杖をついて座っていた。
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