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朝食を終え、秘書として彼の仕事を手伝う為に書斎に向かった。
彼の後ろを歩いていると行き交うメイド達が頬を赤らめて振り返る。
やはり美貌の当主は常に羨望の眼差しを受けるらしい。
そう思っていると、
「メイド達は男の姿に戻ったお前に釘付けだな」
と彼は小さく笑ってそう言った。
物珍しいだけだろう。
昨日まで女だった人間が、翌日には男の姿になっていたんだ。
そう思いながらも、何も言わないままに書斎に入る。
英国を思わせるアンティークなこの書斎をとても気に入っていた。
ここで彼の仕事を手伝えるのは、こちらとしても願ってもないことだ。
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