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美しく気高く、凛とし、常に冷静で表情を決して崩さず、それでいて高飛車なわけではない。
メイドが落としたものを膝をついて拾い差し出す。
知識のない使用人の無知な言動も、見下すことなく丁寧に正しい答えを教え伝える。
そんな睦月に魅了されていったのは、自分だけではなく、東雲の屋敷にいる者は皆、彼に魅了されていた。
華奢な身体に、眩しいほど白いワイシャツ、濃いグレーのベストに黒いネクタイ姿で颯爽と屋敷内を歩く。
どこから見ても没落華族の息子になど、とても見えない。
公家華族にも、これほどまでに気品漂う少年がいるだろうか?
彼を前にすると、自分が鍍金(メッキ)のように感じて恥ずかしさすら感じる。
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