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そして、そんな睦月を見るたびに、もうその肌に触れるのはやめよう。
何度も何度もそう思う。
男を抱くなんて不毛なこと。
誰かを抱きたくなったなら、気に入っている女の一人をベッドに連れ込んだらいい。
以前の自分のように。
それでも他の者が彼に熱い視線を注ぐ姿を目の当たりにするたびに堪えきれなくなるように、その身体を欲する。
この美しい少年は自分のものだと誇示するように。
自分のものではなく、そしてこれからも決して自分のものにならないことを分かっているのに―――
そう、彼が自分抱かれるのは、ただの『詫び』だ。
それも弥生が見付かるまで。
それはある意味、自分自身で決めた期限でもあった。
その期限を迎えることを待っているのか、恐れているのかも、正直分からない。
だが、心底望んでいる。
こんなどうしようもない想いを弥生が払拭してくれることを―――
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