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「おや?」
私は先程死んだはずなのですが…
なぜこのような場所にいるのでしょうか?
周囲を見回してもそこには何もなく、ただただ白い空間が広がっているだけである。
しかし、その白は上下にも存在しており立っていると言うより浮いているような感覚に近い。
もしやここが死後の世界というやつなのですかね?
『半分正解、半分外れだ。救世主よ。』
「ふむ、突然現れ、突然私の思考に対して返答を返したあなたはどちら様でしょう?」
突然真上から聞こえた声に反応しそちらを見ると真っ白な靄のようなものが浮いていた
『私のことはお前も知っているはずだがな、救世主。』
「私があなたを知っている?いえ、それよりも先程から言っている救世主とはなんなのですか?私は世界を救った覚えなどないのですが・・・?」
『ふむ・・・話には聞いていたがまさか本当だったとは・・・。』
それからしばらくの間白い靄はぶつぶつと地球上には存在しないであろう言語を話していた。
白い靄が一人?で喋り出してから五分ほど経過した頃ようやく私のわかる言語、日本語で話し出した。
ちなみにその間私は私の知りうる限りの言葉の中から白い靄が話していた言葉がないか、もしくは近いものがないか考えていた。結局どれだけ考えても思い当たる言葉はありませんでしたが。
これでも趣味で色々やっていましたからかなりの数の言語を知っているのですが…。
やはり、世界は広いですね。
私の知らないことがまだまだたくさんあります。
『さて、救世主よ。お前はお前のいた世界・・・人間たちは確か"地球"と言ったか?』
「えぇ、いつからそう呼ぶようになったのかは知りませんが地球と呼んでいます。」
『ふむ、その地球をお前は救った。その褒美としてお前には別の世界に転生する事を許可しよう。』
白い靄がそう言うと白しかなかったこの空間に正反対の色である真っ黒な扉が出現した。
その扉には装飾はおろかドアノブすら付いておらず、まるでこの白い空間に正方形の穴が開いたかのようである。
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