第五話 月光 ―琢磨―

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屋敷に向かって走り出した車中で、睦月は無言のまま、窓の外を眺めていた。 「―――琢磨」 しばらくの沈黙のあと、突然口を開いたことに驚き顔を上げると、睦月は顔を窓の外に向けたまま、 「ありがとう」 と漏らした。 押し寄せる感情に、胸が詰まる。
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