6812人が本棚に入れています
本棚に追加
/1260ページ
でもこのまま世界が崩壊したら、折角生まれ直したのに死んじゃうって事だよね。
それは何か面白く無いかも。
親に死なれるのはもう嫌だし、なら引き受けるしか無いじゃないか。
「うん、両親を事故で亡くしてる君なら引き受けてくれると思ったよ」
……殴っても良い?
全部織り込み済みなのかと思うとイラッとして、そう思ってみる。
「えっ?あっ、いや……駄目……ゴメン」
引き攣った顔でそう言う神様を見ながら、そう言えば一言も喋らないで心を読まれて会話が成立してるな、と気付く。
はぁ。
もう良いよ、わかったから。
お父様が殺されない様にすれば良いんだよね?
「うん。ありがと!」
あ、でも。
「ん?」
私の身体、勝手に動いてるよ?
「ああ、だって急に君の態度が変わってしまうと困るでしょ?オートで今まで通りに振る舞う様にしてあるんだ。慣れたら外すから、風巴の意識とアデリアの意識が馴染むまで、ちょっと我慢してね?」
あー、そう言う事か。
わかった。
「じゃあ、そろそろ戻すよ?また夜にね?それから、僕の事は神様じゃ無くてアポスって呼んで欲しいな、アディ?」
……うん。また夜にね、アポス。
そう心の中で呟けば、微笑んだアポスの顔が見えた後、目の前が暗転した。
最初のコメントを投稿しよう!