貴族の生活って

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これが結界? 《そうだよー。じゃあやってみてね》 アポスがそう言うけど、ルシファーは、神の結界!?と更に警戒してしまった。 「どうして怪我してるか聞いても良い?」 私は、彼の怪我がすっかり治る様に、と思いながら、聞いてみる。 が、だんまりだ。 それはそうだ。 逆の立場なら私だって何も答えないだろう。 あー、声も聞いてみたいけどな。 そう思っていると傷が塞がった様で、ルシファーは腹部から手を離して呟く。 「何だよ、これは」 ほ? 少し掠れてるけど、低音の甘い声では有りませぬか? 良いねぇー。 何かやっと贔屓のアイドルを見付けられた様な気分。 今までアイドルとかにキャーキャー言ってる意味がわかんなかったけど、成る程、少しは頷けるかも。 キャーキャーは言うつもり無いけどね、キャラじゃ無いし。 「お前、何者?」 おー、また聞けた。 「神の気配がするけど、俺をどうするつもりだ」 うん。 警戒心は解かれて無いね。 「私はただの転生者だよ。貴方を助けたいなら力を貸してくれるってアポスが言うから、貸して貰っただけ」 「は?何で神を呼び捨て!?」 「そう呼ぶ様に言われた」 「はぁ!?」 「友達でも欲しかったんじゃない?ちょっと頼まれ事されてて、これからアポスに鍛えて貰うんだけど、堅苦しいの無理だから助かった」 「な……?……って、何故俺を助けた?」
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