帝のお仕事

32/37
前へ
/1260ページ
次へ
「何者が関わってるのかなぁ?」 魔族は嫌だと思いながら尋ねて見れば、おじ様は口を一文字に結んで黙り込む。 話す気は無いんですね。 ま、聞き出すのは僕じゃなくても良いか。 と。 ガラガラガッシャーンッ! 派手な音を立てて結界が崩れた。 「フウハ、無事?」 ドアが開くと同時にレオンの声。 暗闇から銀色が飛び込んでくる。 って、フード被らないで来たの? 銀髪の子供が壊せない筈の結界を破壊して登場とか、行動が派手過ぎないか? 「勿論無事だよ。でも、途中参加のエイナが魔力封じの腕輪をされて僕でも外せないんだよね。レオン、壊してくれる?」 驚いて折角引き結んだ口をポカッと開けてるおじ様をスルーしてレオンに尋ねれば、エイナを見て険しい顔をする。 そしてエイナに一言。 「フウハは俺のだから」 「「へ?」」 思わずこの状況で何を言い出すのかと変な声が出たが、何故かエイナとハモった。 「あんた男なんだろ?フウハは渡さないよ」 エイナを睨み付けるレオン。 イヤイヤイヤ、レオンさん?だからこの状況で言う事ですかね!? それにエイナの事情を聞いてるんだろうけど、お子ちゃまには興味無いと思うよ!? 「えー、やだぁ。フウハってばモテてるじゃないのよー。そんな男の子みたいに振る舞ってる癖に、何でよー」 そしてエイナ、驚いたのはそこ? って言うかそんなに引かなくても良いんじゃないかな!
/1260ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6817人が本棚に入れています
本棚に追加