帝のお仕事

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そこに近付く気配。 「あー、皆、無事だな」 暗闇から銀色の全帝のローブを着てフードを被ったザイルが現れた。 「あっちは主催者6人と客の全てを捕縛したぞ。囚われのお嬢さん方も保護した。で、だ」 ザイルはそう報告するとおじ様と青年に問い掛ける。 「あんた達の屋敷を捜索させて貰うが、自分から全てを話して貰えないか?」 帝が現れた事で観念した様なおじ様は、それでも力を貸してる者については話す気は無いようで。 「私が勝手にやった事で、息子は私の命令でついて来ただけだ」 それだけ言うと口を噤んでしまった。 「兎に角2人にも一緒に城まで来て貰おう。レオンとフウハはエイナを連れて来てくれ」 此処では聞き出すのを諦めたザイルは、相手が貴族と言う事で城で尋問する事になってるから、と説明してくれた。 エイナの事もあるし、丁度良いか。 「あら、私もお城に呼ばれちゃうのね」 半分位はまだ逃げたい気が有るんだろうか? エイナはちょっと不安そうに苦笑い。 「大丈夫だよ。事情が事情だからね、きっと良くして貰えるって」 そう言うと、フウハが責任持って援護してよね、と言ってくる。 約200年、頼る人も居なくて1人で頑張ってきて、今更王家を信用しろと言っても直ぐには難しいんだろうね。 更に当時の王様に騙されてたって、知ったばかりだし。
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