帝のお仕事

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と、此処に居るメンバーを全員連れて城に転移してくれ、とザイルにこっそり言われる。 6人共それなりに強かったらしく、ザイルは捕縛に魔力を使い過ぎた様だ。 直接だと謁見の間になるんだけど良いのか?と思いながら頷けば、エイナには聞こえていたようで目を丸くされる。 「全員連れてって、そんな事まで出来るの?」 ザイルがこっそり言った理由を瞬時に理解したエイナは、やっぱりこっそり尋ねてきた。 「まあねー」 それだけ小さく返すと、誰がやったのかわからない様に無詠唱で、魔力で線を描く魔法で床に転移の魔法陣を描いていく。 王様暗殺未遂事件の時に人質を連れて転移しちゃったから、複数人連れての転移も出来るってバレたんだよね。 その時は身体に触れていれば魔力を多く使うだけで良い方法を取ったけど、今回は人数多いからそのまま転移しちゃおう。 「何だ、これは」 おじ様は突然描かれていく魔法陣を見て驚いてる。 息子の方はまだダメージが大きい様で、あんな美人が男だなんて、と俯いたまま呟いている。 今までのやり取りとか聞いてなかったみたいだ。 うーん、トラウマにならなきゃ良いけどね。 何も知らされて無いだろうけど、話を聞かなきゃいけないし、流石に可哀想になってきたから慰めてみようか?
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