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メグはやはり自分のことを気にしていた由紀に苦笑する。
「私のことは気にしないで下さい。
・・・忘れてください。
私、遠藤さんのこと、本気だったんじゃないんです。」
メグは恥じるように呟いた。
「・・・普通の恋がしたかっただけ。
遠藤さんが特別だったんじゃないです。」
言葉を失っている由紀に、
メグは何度も何度も練習した言葉を練習した通りに続けた。
「遠藤さんは良い人です。いい男です。
私の知っている誰より、由紀さんを大切に思っています。
・・・・・・必要だと思っています。
だから、由紀さん。
ちゃんと、彼に向き合って。
・・・・・・・・・・・・・・・・逃げないで・・・」
分かった、と由紀は疲れたように頷いた。
遠藤は携帯を受け取り、穏やかに微笑んだ。
「・・・行きましょう。」
由紀は小さく頷いて、遠藤のあとをついて行った。
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