第1話

3/4
前へ
/4ページ
次へ
今日の夜にヘビ女阿波野から 携帯専用SNSサイト・アバQの招待状が 届くのは分かっていた。 昨日私はかなり遅いが高校二年生にして 初めて自分の携帯電話を持った 一円の機種でいいからと 母を説得して何とか買ってもらったのだ うちは貧乏だから本当は携帯なんか 買う余裕なんてないのだけれど 私はどうしても自分の携帯電話が 欲しかった。 別段誰かと電話やメールを したいわけではない 私には彼氏は勿論 誰一人として友達がいないから 携帯電話は必要な物ではなかった。 だから携帯デビューして まだ二日目とはいえ 千人以上も登録できる電話帳に 現在名前があるのは母とヘビ女の 二人だけ。 機種はどんどん進化しているのに 電話はかけない、メールもしない 挙げ句の果てには二人だけしか 登録してないんだから 携帯だって泣きたいだろう。 用途がないから持つ意味はないのだけれどそれでも私は携帯が欲しかった。 中学では携帯がなくても 何事もなく普通に学校生活を送れた。 でも高校で携帯を持っていないと 中学みたいに『影の薄い存在のまま』 卒業することは難しい。 高校に上がりクラスで携帯を 持っていないのが私だけというのが 判明するとたちまちクラス全員から イジメられるようになった。 イジメではなくイジリなのが救いだけど もうすこしでイジメに発展するとこだった
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加