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コーヒーを入れながら、優のことを気にしていた。
『先に謝った方が、大人でかっこいいよ!』
「だから、ケンカってほどじゃないって。希が……こんな時に……ごめん。さっき、バイトするみたいな話したからさぁ…」
『えっ?今さら』
コーヒーを入れて、リビングに戻って、真新しいケータイを操作してみる……
優は、桜のようなピンクのケータイ
希は、色違いでホワイト。
アドレスは、移してもらった。
移す前に、司のアドレスを消去した。
躊躇するだろうと思っていたのが、意外にもすんなり、もう使われていない番号を消去するかのようだった。
アドレスを設定し、友達、両親、無意識に司のアドレスを探して、ため息とともに、顔が歪み苦笑いになる。
「龍之介さぁ、夜バイトするからって……しようかと思うとかじゃなくて、するからって……龍之介の家だって、バイトなんてしなくてもいいじゃない?何で?って聞いたら、大学卒業したら、バーをしたいんだって……龍之介のお父さんだって、会社を継いで欲しいって言ってたのに……龍之介は、だから、親の力は借りたくないって」
『そっか…寂しよね。相談して欲しいよね』
『今から、龍の所行こっ』
「待って!でも!」
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