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『うっそ……ここじゃないよね?』
顔が青ざめる。血液が一気に急降下するような、体のどこからか、血を抜かれてるかのような……
「ごめん……嘘じゃないんだよね……司と急にあんなことになっちゃって……まさか、来るとは……」
だから、さっき、待っての意味は、これか……店の名前を聞いても、はぐらかしていたのか……
店に向かう途中にも、司の影がちらつく、見慣れた景色……歩くのは夜中……
待ち合わせは、現地集合…二人で堂々と歩ける訳ないから……
近づくにつれて、まさかね……と思っていた。近くには沢山のバーやら、飲み屋がある。ただ、近いだけだよね……
と思っていたのが……
『仕方ないよね……よしっ!潔く、ここまで来たら行く!』
無理矢理、自分を納得させて、ドアを開けた。
頭の中では、もしかして……と思いながらも、中の様子を伺う。
「いらっしゃい!」
聞きなれた、声。
一安心……
ふう……よかった。司はいない。
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