第一話:絶望ト悲シミ

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  「1番はその力を使い人間を滅ぼすと言い始めた……俺は全力で止めに入ったが奴の血器は強すぎたんだ……俺じゃ足元にも及ばなかった。だから、1番を殺すために今はイビトを集めているんだ」   「……お、俺も協力するよ!!23番さん!!」   「ありがとう、それと俺のことはケイって呼んでくれ」   「フンッくだらね」   「キヨシ君、君は研究員に一体何をされていたんだ?」   「友達ごっこはよそでやれよ。僕は僕の道を行く」  キヨシはそう言って部屋を後にした。後からミサキが追ってきただがキヨシはミサキに向かって言った。   「僕は、1人で良いと言ったはずだよ?」   「本当に」   「まず、君は一年前のあの日からずっとイビトだったのか?」   「……えぇ」   「化け物が!!君が僕が通ってた高校に転入してこなければ」   「ごめんなさい」   「僕まで化け物にされたんだ、君がいなければ……まぁ今更こんなこと言っても何もないけどね」   「キヨシく……」   「もう、ついてこないでくれるかな」   「僕はここを出る……さよなら」  ミサキはキヨシの後姿を見送ることしかできなかった。ただ悲しくなった。   (あの時私がもっと早くに助けに言っていれば……) ~イダチの隠れ家のすぐ外~   (……1番か……面白そうな奴がいるもんだな……)  キヨシは歩きながら考えていた。   (あのケイって奴なかなか強そうだったなけど1番の方が……待てよ?ケイは何で負けたのに生かされたんだ?負けたら殺されるはず……まさか!!)  キヨシは走ってケイのいた部屋に向かった。  バタンッ!!   「来るのが早かったなキヨシ君」  部屋は血の海と化していた。   「お前……1番か?」   「ご名答、俺が1番だ」   「ここに僕を連れてきた理由も殺すためかい?」   「いいや……君を俺の仲間……」   「御託はいい」   「さすがに一味違うな”特別扱い”は」   「どういうこと?」   「力ずくで聞きな」   「……じゃあいいや」   「えぇっ!?ここは上等だ!!とかじゃないの!?」   「そうはならないよ、自分と相手の力量くらいわかるよ」   「……じゃあ尚更行かせないよ?」   「誰も行くなんてないよ」   「じゃあなんだ?」   「僕が殺す」  キヨシは歯をむき出して笑った。
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