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研究員が入ってきた。キヨシは研究員を見つめながら。
「あんたも長いね、よく飽きないものだよ」
「黙れ、20342番」
「じゃあ、僕は黙るからあんたが喋ってよ変わった世の中をさ?」
「退屈しのぎか……いいだろう20342番が捕まった後政治は大きく変わった一気に未来世界の絵面となった……」
……と研究員は話しながらキヨシの手足の指を一本ずつニッパーで切り落としている。
「まぁ……20342番にこんなこと話しても君は外に出られずに死んでいくけどね」
「ふぅん……というよりさっ僕が20342番って事はさ?僕より前がいるって事だよね?」
「あぁ、約2万人いる」
「まだ、実験体いるの?」
「今は3万人ほどいるぞ?」
「ふぅん……」
「何だ?今日はやけに外の事知りたがっているな?」
「いやぁ、久しぶりに外に出られるからね?」
「?何を言って……」
バキィッ!!ボキィッ!!ゴキゴキ!!ベチャッ……
キヨシは手足の骨を折り手かせ、足かせを外した。
「なっ!?」
「驚きだろう?……もう治ってんだよ?僕も化け物になったよね?」
「や、やめてくれっ!!」
「君はもう邪魔だ……僕のおいしい食べ物になってくれ……」
「やめろっ!!」
「君たちは僕がそう言ったときにやめてくれたかい?」
「ひぃぃぃ!!」
「いただきます」
ベチャァァァァァグチャッグチャックチャッ……
キヨシは1年間痛みを与え続けられた研究員を喰い殺した。
「さて……出るか……」
涙は出なかった。痛みによる支配。誰も助けに来ない絶望。キヨシには外に出たとしても何もなかった。
キヨシは扉に近づくと素手で扉をこじ開けた。すると銃を構えた兵士が5人ほどいた。
ドドドドドドド……
キヨシは目を見開き全弾受けた。血は出てきていたが痛みはなかった。キヨシはニコッと笑い兵士達に言った。
「今更こんなの痛がるとでも思った?」
「う、撃てっ!!」
「僕ね?この1年黙って痛みを与えられていたわけじゃないんだよ?」
そう言うとキヨシの背中から皮膚を破り四本の血液が固まった足が出てきた。
「痛みを与えられ続けたお礼……しなきゃね」
「”イビト”を殺せっ!!」
「次は、僕の番だよ……」
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