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キヨシは背中から生えた血液の手足をぎこちなく動かした。
(何回か出したことあるけど、これで戦うのは初めてだからな……)
「ん?……イビト?」
「死ぬまで撃ち続けろっ!!」
「あぁ……”異人”ね……君たちが作ったのにそんな名前付けるんだ」
キヨシは兵士をにらみつけ真正面にいた兵士の方へ移動し胸倉を掴み持ち上げた。そして背中の四本の足で兵士の体を突き刺した。血があたりに滴った。
「君たちはこんなにももろいんだ……僕も1年前はこうだったんだよね」
「この少年もう血器〈けっき〉を使いこなしている!!」
「血器?この足の名前かな?まあ当たり前だよね人体実験なんだし」
「こいつは生かして出すな!!なんとしてでも殺せ!!」
「僕もそう簡単に死ぬわけにはいかないんだよ」
そう言うとキヨシは血器という名の四本の足を兵士四人の腹に突き刺した。
ビシャァ!!
汚い音を立て血が吹き出した。兵士達はキヨシの血器を刺した途端絶命した。
「僕は生きてここを出るよ……僕の1年をありがとう……そしてさよなら」
そう言ってキヨシは走り出した。
……血器を体の中に戻ししばらく走るとキヨシは非常口という看板を見つけた。
(非常口か……)
キヨシは走るスピードを上げた。
(僕の足の速さ上がってる……何でだろうこれもイビトってやつになったせいかな?)
そう思ったが今は考えるのを止めた。非常口の扉に手をかけ開けた。
外の世界は高層ビルだらけになっていた。
(まだこれくらいなら……)
キヨシは血器を出し壁に血器を刺しながら登った。
屋上に着くと綺麗な夜景が広がっていた。
(僕は……外に出られたのか……)
キヨシはその場に座り込んだ。だが追ってが来るのがわかっているためにすぐに立ち上がり、走り出した。
(まずどこかに隠れよう)
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