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「レオン」
広い部屋に鈴のような声が響く。
それは決して大声ではないが、しっかりと呼ばれた人物の耳に届いた。
「あぁ……マリー、聞いてたよ。
さすがはマリーの親父だ。
国王は立派な演説をしてくれた。
すべてをこの国が……いや、この世界が受け入れてくれたことを感謝してる。」
「これなら、この人は傷つきませんもんね」
「気づいたらキレるだろうけどな。こいつは同情されると泣くような奴だから」
「しかし、そんなにうまくいくのでしょうか?
いくらこの人の意思ではなかったとはいえ………」
その質問にレオンとよばれた男は答えなかった。
「そろそろ目覚めると思う。
これからは気をつけて行こう。
こいつにさとられないためにな」
「はい、では………」
マリーと呼ばれた女はレオンを見送ると、その人物の目覚めをまった。
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