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「“justice”に伝えておけ。先程言った通りオレは正義が嫌いだ。
“偽善”で“最悪”な結果を持ってくる正義がな。依頼など持ってくるな。“聖位置”などふざけた組織の依頼など受ける気はない。」
アルはおいてある依頼を右手で燃やす。
「カナ、珈琲ナシナシで。あ、こいつの分もな。」
燃やした後に何もなかった事のように珈琲を頼む。
「リーダーがお前なら受けてたかもな。この依頼も。ミカド。」
「馬鹿を言え。まず依頼を俺は渡さない。“知っている”からな。お前の眼の事を。」
先程の険悪な空気が一転、まるで親友のように振る舞う。
「アル、お前は本当に曖昧だな。いや、ある意味じゃはっきりしてるのか。“助けたい人間だけ助ける”わけだから。」
「悪いか?」
「いや、悪くない。正義なぞクソ喰らえだ。助けるだけじゃ意味はない。時にはそれこそ殺す事をおそれてはいけない。そこんとこをあの馬鹿は分かっていない。」
「分かってたまるかよ。あいつは“知ってもいない”この眼を頼りにしきりに依頼をよこすんだぜ。」
「ふん、俺はお前に感謝している。生きる力をくれたのはお前だからな。だからこそ、ここにくる。」
「オレもさ。お前が偽装してくれているから、こうしてカナと2人でいられる。長い時間な。それがとてつもなく嬉しい。」
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