第3話

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  「御園さん、落ち着いてください。大丈夫ですから」 もしかして私がパニックになっているように見えたのだろうか。 長瀬恭は私を落ち着かせようと、肩に触れる。 まさか。こんなことで取り乱すなんて。ありえない。 勘違いだけれど、その優しさに免じて、受け入れておくとするわ。 彼は私に向き直り、じっと見つめてきた。 逸らせない。その力が、彼の瞳にはある。 「御園さん」 「……はい」 「もし、この案件で何かあれば……僕に相談してください」 「えっ……」 「一人で抱えるのは辛いでしょう?」 にっこり、笑う長瀬恭。 それはとても、魅力的な笑みだった。 私の瞳は潤んだままだ。演技は解いていない。 けれど、その笑顔にあてられて、勝手に頬が紅潮するのを感じた。 ……もしかして。 ものすごい、人タラシなのかしら。長瀬恭は。 .
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