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西暦三千と七年。世界に『ライブレス』という人造人間が普及して、法律も改正されて、瞬く間に世の中が変わっていった。
「さっくん。あなたにプレゼントがあるの」
我が九条家の両親も抗う事なくその世の中の思想に流されて、ライブレスを当たり前の存在と捉えていた。家計状況から、購入は断念していたようだが。
だから、なのか。『さっくんへ』と書かれたお父さんからの手紙には、ライブレスをプレゼントするという内容が綴られていた。
「……ねぇ、僕の殺人マシン……もとい、ライブレス嫌いは知ってるでしょ?」
「だからこそ、もっと知ってほしいの。これからはライブレス無しじゃ生きられない世の中になると思うから」
「ライブレス無しじゃ生きられない人間がどれだけ情けない事か。それにうちは必要なかったじゃん」
しかし当の僕は、ライブレスが大嫌いだった。
あの最悪な機械に、最も親しかった幼馴染みを殺されたのだから。
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